「涼花ちゃん…」

「彼女さんも大変な次期だとちゃんと
分かっていると思います。でも、少しでもいいので
彼女さんの気持ちを理解してあげて下さい。
安心が出来るように」

お互いが誤解をしているだけ
せめてチャンスがあるならやり直して欲しい。
誤解が無いように……。
すると浜野さんは、ふぅ……と深呼吸をした。

「…そうだよな。アイツに寂しい思いをさせたのは、
俺だもんな。俺がちゃんとしなくちゃあな」

どうやら考え直してくれたようだ。
そして立ち上がるとリビングから出て行こうとする。

「おい。何処に行くんだ?」

「彼女の所に帰る。そして
ハッキリ決めてくるとするぜ。プロポーズ」

浜野さんは、こちらを見てニヤリと笑う。
良かった……。
これで、仲直りしてくれたらいいな。
すると浜野さんは、先生に向かって

「おい藤崎。色々迷惑かけたな。
それもだけど……お前。いい子見つけたじゃん。
大切にしてやれよ?睦月のためにも」

それだけ言うとそのまま帰ってしまった。
台風みたいな人だった。しかしいい子……?
それって私のこと?
意味が分からずにきょとんとしていた。
チラッと先生を見ると黙ったまま前を見つめていた。
何を考えているのだろうか?

そうしたら黙ったまま睦月君の所に向かって行く。
抱き上げると「…部屋に寝かしてくる」
それだけ言いリビングから出て行ってしまった。

「は、はい。」

返事をするがこれ以上何も言えなかった。
何だか切ない表情に見えたからだ。先生……?
その後。先生は、出てきた時には、
普通に戻っていたけど理由が聞けなかった。
きっと複雑な気持ちなのかも知れないと何となく思えたからだ。

私は、遠慮して早めに自宅に帰った。
さっきの話は、何だったのだろう?気になる……。
そう思いながらアパートに入る前に郵便ポストを覗いた。
すると広告以外に手紙が届いていた。
宛先を確認すると白川美麗からだ。