「睦月。お前…凄いな!?
最後に会ったのまだ3歳ぐらいだったのに。
よくそんな細かい癖を覚えていたな?藤崎ではあるまいし」

浜野さんは、嬉しそうに言いながら睦月君の頭を
クシャクシャと撫で回した。
睦月君は、無表情だったが……。

「す、凄い……凄いですね。睦月君」

私も感動してしまう。名推理だわ。
もしかして睦月君は、天才なのかしら?
気が利くだけではなく頭の回転も早いようだった。

「コイツは、小さいから足元をよく見ていたんだろ。
それよりお前……日本に戻ったって
海外の研修は、もういいのか?」

「あぁ、今年から少し遅れてだが
都内の大学病院の小児科で働く事になったんだ!」

不満そうに質問をする先生に
浜野さんは、ニカッと笑顔で答えた。
えっ?大学病院の小児科…?って、まさか

「もしかして、浜野さんって
お医者様なんですか!?」

大学病院で小児科で働くとなるとドクターしか
思い浮かばなかった。
でもそんな風には、見えないし

「当たり~去年まで海外でインターンとして学び
今年から大学病院の小児科医師として
働く事になったんだ。だから
もし風邪や熱出した時は、俺に言えよ?
俺が治してやるからさ」

そう言いながらまた、睦月君の頭を撫でた。
凄い……お医者様だなんて。
私は、改めて浜野さんを尊敬する。

「凄いですねぇーお医者様だなんて
人は、見かけによらないって本当だったんですね!?」

「えぇっ……それって何気に酷くない!?
見かけによらないって
俺これでも真面目だったんだよ?」

浜野さんは、ショックを受けたように言ってきた。
あら、言葉を間違えたかしら?
思わず口から出てしまった言葉だった。

「あの、すみません」