翌朝。ズシッと漬け物石でも乗っているような
重みで目が覚めた。重い……これって金縛り?
いやいや、そんなはずは……。
そう思いながら目を開けて見ると
睦月君が布団の上から乗っかっていた。
「む、睦月君!?」
「……おはよう」
驚いて起き上がると睦月君は、まだしがみついていた。
朝から可愛いけど……何で?
するとハッとする。そうだ……。
昨日先生の自宅に泊めてもらったのだった。
やっと昨日のことを思い出した。
どうしよう……ご迷惑になりっぱなしだ。
「起きなくちゃあ……」
慌てて睦月君を抱っこして起き上がった。
顔も化粧直しもせずにリビングに入って行く。
先生は、丁度朝食を作っていた。
「先生すみません。泊まらさせてもらって……」
「起きたか?もうすぐご飯が出来るから
その前にシャワーでも浴びて来い。
髪がボサボサだぞ?お前……」
「えっ!?」
慌てて髪を手で押さえた。
やだ……髪型が乱れているなんて恥ずかしい……。
変な姿のままだったことを忘れていた。
「ほら、早く行って来い。
バスタオル適当に使えばいいから」
「は、はい。お借りします」
先生に急かされ私は、慌ててリビングから出て行く。
渋々シャワーを貸してもらうことに。
何だか申し訳ない気持ちになる。
シャワーが浴びると髪を乾かしてメイクをする。
化粧直しの道具しか持っていないから
軽くファンデを塗ったりするぐらいしか出来ないけど
リビングに戻ると朝食の準備が出来ていた。
あ、パンの上にチーズと目玉焼きが乗っている。
その他にもベーコンやスープもあって美味しそう。
「座れ。早くしないと遅刻するぞ?」