慌てて返事をするが、その量にげんなりする。
大量に積まれた資料の山。
どう考えても何時間に終わるか分からない量だ。

お昼休みを削り何とか片付けるが
先生の所に行くのが遅れてしまった。
先生…睦月君のお迎えにもう行っちゃったかな?

慌ててマンションまで行くと
オートロックを開けてもらおうとするが誰も出なかった。
居ない……今どの辺に居るのかしら?

「そういえば、今日パンケーキ屋さんに
行くと言っていたから
もしかしてパンケーキ屋さんかしら?

携帯に電話をしてみようとするが
よく考えたら番号を教えてもらっていない。
教えてもらっておくべきだった……。

「とにかくパンケーキ屋さんに行ってみよう」

そう思い慌ててそちらに向かった。
商店街の方に行ってみるとたくさんの女性達が
ずらっと並んでいた。だが、背の高い先生を
見つけるのは、思ったより簡単だった。
頭が1つ出ているから

「先生…!!」

「あ、来たか。予想はしていたが」

先生の名前を呼ぶと私に気づいてくれたが
予想はされていたんだ……?
何だかショックを受けながら真っ直ぐと前を見ると
まだまだ列が続いている。
チラチラとこちらを見られてるけど
パンケーキだけあって学生や女性客がほとんどだ。

「ったく、よくあんな甘過ぎて胸くそ悪そうなもんを
食べるために並べるよな……理解できん」

「確かに、凄い列よね。ですが、それぐらい
美味しいって事ですよ!
女性は、甘いの好きですし、美味しいので」

「そんなもんかね……」

呆れながらも前を見る先生。
でもブツブツと文句を言いながらも睦月君のために
並ぶ先生は、優しいと思う。
すると睦月君がスカートをツンツンと引っ張ってきた。
見下ろすと抱っこをねだってか手を広げてきた。

「睦月君。こんにちは。はいはい、抱っこね。
ちょっと待っててね」

そう言い抱っこしてあげると
「こんにちは」と言いながらチラシを見せてきた。
チラシ……?と思いながら見ると
パンケーキのお店のことが書いてあった。
うわぁ~美味しそう。