どうしてだろうか?
前ならいいなぁ~とか羨ましく思えたのに。
今は、それよりも仕事の事でいっぱいだ。
「もう…涼花ったら反応が薄いわよ!?
さては、あの例の先生の事を考えてたわね?」
梨子は、言い当ててきた。ギクッと肩が震えた。
何故分かったのかしら?さすが親友…。
だって、そうではなくてもミスで先生に
怒られてばかりだで落ち込んでいるのに……。
「だって1人の幸せよりまず身近の問題の方が
気になるんだもん。
羨ましいなんて思ってられない…」
「まぁ…あんたは、イケメン先生との
関係性の方が気になるでしょうけどね」
「そ、そんなことないわよ!?
ただ仕事だし……自分のミスがあるから」
「はいはい。そういう事にしておきましょうかね?」
梨子は、呆れながらもクスクス笑って言った。
完全にからかっているし………。
何だか余計に恥ずかしくなってきた。
その後も梨子とは、話しに盛り上がり
お酒もたくさん飲んでしまった。
気付くと翌朝になるぐらいに……。
「頭が痛い……」
飲み過ぎて頭痛がしてしまう。
自宅のベッドから何とか起き上がった。
うぅ……つい調子に乗ってしまった。
お酒強くないのに記憶が曖昧になるぐらいに
飲むなんて情けない。
何とか支度を済ませ会社に出勤した。
午前中は、ほとんど雑務などをして過ごした。
出版社の仕事は、編集者のばかりではない。
優秀な人は、いくつか担当を受け持つらしいけど
私みたいな者は、雑務や接待などが多い。
今日は、デスクで頼まれた資料をまとめていた。
まだ頭がズキズキと痛い……なのに。
「小野木。この資料もまとめておいて」
「は、はい。」