「睦月君が頑張って手伝ってくれたから
美味しく出来たわ。ありがとね」

そう言ってお礼を伝えた。
睦月君は、コクりと頷いてくれた。
しかし食べている途中で白雪が乱入してきて
私のケーキをパクりと食べてしまう。

「白雪!?そのケーキは、食べたらダメよ!!」

「白雪もケーキが食べたいんだって」

睦月君がそう言ってくる。白雪は、
「ニャー」と鳴くとまたパクパクと食べてしまう。
えっ……?そうなの?
いやいや、動物が人間用のケーキを食べたら
ダメでしょう。

慌てて止めるが半分も食べられてしまう。
うぅっ……お腹壊さないといいけど。
心配になるが白雪は、しっぽをふりふりさせながら
舌で口元についた生クリームを舐めていた。

そして待ちに待ったプレゼント。
結局、分からず睦月君の欲しいプレゼントは、
用意が出来なかった。
その代わりレインボーレンジャーのおもちゃにした。
人気なおもちゃらしいけどガッカリするだろうか?
なんとか伝えて分かってもらわなくちゃあ……。

「あのね。サンタさんのプレゼントなんだけど
サンタさんがね。都合が悪くて
別のプレゼントになっちゃったんだって
ごめんねと謝っていたけど許してあげられる?」

下手な言い訳だけど
なんだか全て分かってそうな睦月君だ。
用意が出来なかったのは、事実なんだし無理なら
ちゃんと謝ろう。すると睦月君は、

「………お姉ちゃん。僕より
パパにプレゼント渡さなくてもいいの?」

そう発言するではないか。
えっ!?ちょっと……睦月君!?
そんな……まだ心の準備が出来ていないのに。
私は、思わず動揺してしまった。

「俺に……プレゼントだと?」

「えぇっ!?えっと……ですね」

これは、渡さないといけない雰囲気だわ。
いや、逆にチャンスかもしれない。
渡さないと私の事だ。なかなか渡せないだろう。だから……。
慌てて先生のプレゼントを取り出した。
そして差し出した。