「……仕方がなくだ。しかし
海津ロイヤルホテルなんて久しぶりだな」
「前にも来られた事があるのですか?」
「あぁ、ここの社長の息子と大輔が友人なのは、
聞いてるだろ?その関係でな。
そんな事は、どうでもいい。行くぞ」
先生は、ため息を吐くとさっさと入って行ってしまう。
私は、慌てて睦月君と手を繋ぎながら先生を追いかけた。
どんな関係だったのか聞いてみたかったな。
そして最上階にあるレストラン。
名前を言うとVIPルームに案内された。
景色が一望出来る素敵な場所だ。私的には、
小さなお店で飾付けしてやるつもりだったのが
浜野さんのご厚意でこんな豪華になってしまった。
本当に申し訳ないぐらいだ。
中に入ると誕生日パーティー用に飾付けされてある。
事情を話したら、そのように飾付けが出来ると聞き
さっそく頼んでおいた。
『HAPPY BIRTHDAY』と書かれた看板に
花とか飾られてありそのように可愛らしくしてある。
「先生どうですか?
誕生日パーティーらしくありませんか?」
ニコニコしながら言うが
「なんだ?この…乙女っぽいというか
ガキっぽい飾付けは!?」と何だか違う意味で
驚かれ若干引かれてしまった。
「えっ?どうしてですか?可愛いらしくて
素敵だと思うのですが……」
バルーンやお花などが飾られてあって
誕生日パーティーらしいと思うのだが……?
私は、意味が分からずに首を傾げた。
「趣味がお前や子供目線じゃねぇーかよ。
俺の誕生日なら普通主役の趣味に合わせるだろ?」
あっ?そうだわ!!
誕生日パーティーらしくと思ったら
自分のイメージしか考えていなかった。
あーまたやってしまった!!
「す、すみません……」
「まぁ、今始まった事ではないけどな。まぁいい。
睦月が気に入ったみたいだしそれより早く座るぞ」
そう言い席の方に行きドカッと座った。
うぅ……飾付け大失敗だわ。
しゅんと落ち込ながら睦月君を見ると
バルーンに興味を持ったのか白雪に見守られながら
抱えたり他のバルーンを触っていた。
可愛い……おっといけないわ。