「そのままだ。睦月が明日のサプライズパーティーに
行けってうるさいから、仕方がなく行ってやる」

「ほ、本当ですか!?」

「あくまでも仕方がなくだ。
こっちは、嫌だと言っているのに……」
 
ブツブツと機嫌悪そうに呟くと部屋から
出て行ってしまった。
まさかの言葉に私は、驚いてしまった。先生……。
本当は、まだ複雑なのだろう。気持ち的に……。
でも、これは最後のチャンスだ。

最高の誕生日パーティーにすれば、きっと
先生の心に変化が起きるかもしれない。
とにかく参加してくれると言ってくれた。
睦月君のためにもこのチャンスを無駄にしたくない。
私は、覚悟を決めた。

そして次の日。
私は、自宅で着替えて先にホテルの方に向かった。
準備をするためだ。睦月君は、あれから
無事に熱も下がり元気になってくれた。
良かった……と一安心する。

準備が終わり私は、お手洗いでメイクと髪型を整える。
今日は、薄いピンクのワンピースに上着を羽織っている。
ホテルのディナーだからお洒落をしてみた。

「うーん。ちょっと子供っぽいかしら?」

でも、大人のデートとして行く訳ではないし
誕生日パーティーだ。これぐらいの方がいいかしら?
鏡を見ながら何度もチェックをする。
腕時計を見ると待ち合わせ時間まで後5分になっていた。

「あ、急がなくちゃあ!?」

私は、メイクポーチを片付けると慌ててロビーに向かった。
丁度、先生と睦月君が着いたところだった。
2人共、お洒落をしてきてとても似合っている。

「先生、睦月君ようこそいらっしゃいました」

自分のホテルではないが張り切って出迎えった。
すると睦月は、私のところに駆け寄ってくれたので
抱っこしてあげる。

「熱下がって良かったねぇ~」

そう言うと睦月君は、コクりと頷いた。
すると先生も近付いてきた。
ビシッとスーツで決めていてカッコいい。
手元には、ゲージを持っていた。
このホテルは、ペットの持ち込みも可能だ。
白雪は、ゲージの中にいる。

「先生。来て下さりありがとうございます」