「もしもし?」

『涼花ちゃん。無事に予約取れたよ!
そこの社長の息子と仲良くてさ。
事情を話したら喜んで協力してくれるって
言ってくれたから。場所は、海津ロイヤルホテル。
そこの最上階のレストランの料理は、
すげぇー美味しいから楽しみにしてて。
じゃあ詳しくは、ホテルで聞いてね?
サプライズ計画も用意させとくから。
俺忙しいからまたねぇ~いい話を期待してるよ』

そう言い一方的に電話を切られた。
か、海津ロイヤルホテル!?
パーティーがやれそうなお店を頼んでおいたのだが
まさかの高級ホテルに驚いてしまう。
しかも社長の息子さんと知り合いって
浜野さんって何者?

それよりお金…いくらかかるかしら?
高級ホテルだと、かなりの高額だろう。
私の給料で足りるかしら?あぁ、節約しないと
ど、どうしよう。
また、お泊まりだなんて…浜野さんったら
何を考えてるのかしら!?

オロオロとしながら
睦月君を見るときょとんと首を傾げていた。
あっえっと……。

「誕生日プレゼントは、素敵なレストランで
食べれるって。浜野さんが教えてくれたの。
美味しい料理があるみたいだから楽しみだね」

そう言うと睦月君は、コクリと頷いた。
とりあえず打ち合わせに行かなくちゃあ……。
作るのは、そこそこにして片付けると
睦月君を連れて海津ロイヤルホテルに向かった。
ホテルに着くと思わず歓声をあげた。

うわぁ~いかにも高級なホテルだわ!!
前に泊まらしてもらったホテルも
素敵だったけど、こちらも高級感があり素敵だった。
するとスタッフの人が話しかけてきた。

「お客様。宿泊でいらっしゃいますか?」

「あ、私は、小野木と言うのですが
ここのレストランで明日誕生日パーティーをすると
連絡があったはずなんですが」

「小野木様ございますね?
少々お待ちくださいませ。今調べてみます」

スタッフの人は、頭を下げると
フロントの方に行ってしまった。
だ、大丈夫かなぁ~?
予約が取れたと言っていたし、社長の息子さんと
仲がいいと言っていたけど……。
心配になっているとしばらくして
支配人らしき人が現れた。

「小野木様でございますね?
私は、ここの支配人の柊です。
お話は、浜野様と理人様から伺っています。
どうぞこちらに」

とても紳士的に対応してくれた。
レストランに案内され詳しく打ち合わせをする。
浜野さんのサプライズ計画と全て
負担してくれると分かり驚かされた。いいのかしら?

「あの…急に申し訳ありませんでした。
明日よろしくお願い致します!」