そして翌日。先生の自宅に寄る前に
浜野さんが勤めている大学病院に向かった。
行く間際に少しだけ会えないかと連絡しておいた。

「いやーお待たせ。昨日は、揉めたんだって?
悪かったな。俺のせいで」

「あ、いえ。こちらこそすみませんでした。
自分から連絡をしておきながら失礼な切り方で。
あの…時間よろしかったですか?」

「あぁ、大丈夫。落ち着いたから
それで話って何かな?」

そう言う浜野さんは、回診を羽織っており
お医者様らしかった。
こうやって見ると本物のお医者様なんだと思った。
性格のせいかそう思えないから忘れるところだったが。

「あのですね……」

私は、浜野さんに事情を話した。
賛成してくれるだろうか?
すると驚きながらも大賛成してくれた。

「いいアイデアじゃないか!?
なるほど、サプライズパーティーか楽しそうでいいな。
俺もそういうの好きだぜ」

「本当ですか!?ならあの……急で申し訳ないのですが
私に協力して下さいませんか?」

「もちろん。協力も何も俺も色々と手伝わせてくれ。
いいお店を予約しておくから」

浜野さんは、喜んでそう言ってくれた。
これは、有りがたい。
私は、お店とか詳しくないから協力してくれると心強い。

「ありがとうございます!!
そう言って頂けると嬉しいです。あの…考えとしては」

浜野さんに詳しく内容を説明した。
これで、よし。後は、先生にバレないように
進めるだけね。私は、少しずつ計画を進めることにした。
バレないように睦月君と拓馬君の家に行くといい
近くの喫茶店に向かった。

喫茶店でサプライズ用の飾りつけを作った。
睦月君は、一生懸命に先生の似顔絵を描いていた。
もちろん店長さんに許可を取ってからやっている。

「睦月君。上手だねぇ~パパそっくり」

そう言うと睦月君は、コクリと頷き
また夢中で描き続けていた。可愛い……。
私もまた折り紙を折るのを再開させていると
スマホが突然鳴り出した。
誰だろう?と見てみると浜野さんからだった。