そんな不思議な事が起きた日から過ぎて
梅雨から本格的な夏になった頃。
私は、睦月君の迎えに行くといつものように
拓馬君が睦月君と茉莉華ちゃんが一緒に居た。
「俺が30日で5歳になるんだぜ」
拓馬君は、そう言いながら威張っていた。
へぇ~拓馬君。8月30日生まれなんだ?
この頃の年齢は、年をとることは、お兄さんに
なることだから嬉しくて仕方がないのよね。
私は、すでに年をとるのは嫌になっているけど……。
「30日ってまだ先ではありませんの。
はしゃぐには、早すぎますわよ」
「いいんだよ。8月なんだから
つまりお前らよりお兄ちゃんってことだ!」
「まったく。数ヵ月年上だからって
威張るなんてお子様ですわね」
「はぁっ?何だと!?」
また口喧嘩を始めてしまう拓馬君と茉莉華ちゃん。
相変わらず仲が悪いわね。
お似合いだと思うのだけどな。
仕方がないので私は、2人を止めることにした。
「こらこら、あなた達。喧嘩しならダメよ~」
「あ、涼花おばちゃん」
するとまた拓馬君は、おばちゃんって呼んできた。
いい加減に慣れないといけないと思いつつも
言われるとダメージがあるわね。
「拓馬君。お姉ちゃんね。
それより拓馬君。今月なんだね?お誕生日」
「おうよ!」
拓馬君は、少し照れたようにえへへと笑う。
あ、照れてる。生意気そうに見えても
誕生日で、こんなにはしゃぐ姿は、子供らしくて
可愛らしいわね。クスッと笑っていると
横に居た睦月君が私の服をツンツンと引っ張ってきた。
そして「僕には?」と言ってきた。えっ……?
睦月君もおめでとう言ってほしいのだろうか?
「睦月君は、誕生日いつかな?」