「先生……」

が、しかしすぐさま、デコピンをされる。
痛いし……何で!?
まさかデコピンされるなんて思わなかったから
驚いてしまった。おでこを押さえていると先生は、
フッと笑った。ドキッと心臓が高鳴る。

「調子に乗るな。俺に指図するなんて100年早い」

「もう先生ったら……」

ムスッと頬を膨らませる。
もう……せっかく自分の気持ちを言ったのに。
でも、とてもスッキリした気持ちになった。
それは、きっと沙織さんが背中を押してくれたからだろう。

「とにかく今日は、検査入院をして
大丈夫なら明日退院してもいいそうだ。
まったく。世話の焼ける……」

先生は、ブツブツと言いながら頬を赤らませていた。
「すみません……」と言いながらもクスッと笑った。
何だか幸せな気持ちになった。

しかし、その夜に睦月君は、自分の部屋で白雪に
こんなことを話していたことを私も先生も
知らなかった。

「ところでさ、ママなんで
白雪に取り憑いてるの?」

睦月君が白雪にそんなことを質問していた。

「ニャーニャー」

「生まれ変わり……ってなぁに?」

「ニャーニャニャー」

「ふーん。いつ気づいたかって?
会った時からママの姿が見えたから」

「ニャーニャー」

「へぇ~パパと僕のことが心配で生まれ変わったんだ?
今は、お姉ちゃんとパパの仲が心配なんだね」

「ニャーニャー」

「分かった。パパとお姉ちゃんには、
秘密にしておくね。ママも大変だね」

「ニャー」

「ふーん。意外と楽しんだ?
ママって変わってるね」

仲良く話をしていたとか……。