「……ごめんなさい。でも私は、死にません。
先生よりも長生きするので
そんな悲しい顔をしないで下さい」
真っ直ぐと先生の顔を見て言った。
「誰が泣いているんだよ?」
「先生がですよ。
ほら、こんなに……悲しそうに」
ソッと先生の頬に触れようとする。
身体は、まだ痛むけど先生に少しでも触れたい。
すると先生は、嫌がらずに私の手を重ねてきた。
胸がドキッとさらに高鳴る。
あ、そうだ……話さないと。沙織さんのこと。
「先生……私。夢かもしれませんが。
沙織さんに会ったんです!」
正直に先生に話した。
隠し事をしたくないし、先生にも知ってほしい。
沙織さんの想いを……。
すると先生は、驚いた表情をしていた。
「沙織に!?」
「沙織さん。先生や睦月君の事を心配していましたよ。
自分1人で背負い込む所があるからって。
だから支えてあげられる人が必要だって
笑って欲しいと言っていました!!
私、先生の支えになりたいです。迷惑かも知れませんが
私は、先生の笑顔を守りたい」
それが、沙織さんの願いでもあるから
だから……笑って。
それを聞いて先生は、複雑そうな表情をする。
「俺は……」
「もう……自分を許してあげて下さい。
沙織さんもそれを願っていました。
私がそばに居ますからこれからも……ずっと」
私は、涙を流しながら伝えた。
苦しまないで…もうこれ以上。
「おい、泣く奴があるか。まったく」
そう言いながらも先生の表情は、苦笑いしていた。
不器用ながらも優しい表情。
あぁ、私は……この笑顔を守りたいんだ。
沙織さんもそうだったように。