「私も手伝います!」

「いや、必要ない。お前が居ると返って邪魔だ。
これ以上皿を割られたくないしな。
いいから早く洗ってこい」

手伝うと申し出ると思いっきり否定された。
それを言われると何も言えなくなってしまう。
すでに2回もミスをしている立場としては……。

渋々言われてるまま睦月君と一緒に
手を洗いをしてリビングに戻った。
するとカレーのいい匂いが広がってきた。
どうやら先生は、カレーライスを作ってくれたらしい。
凄く美味しそう。
私と睦月君は、席に着くと手を合わせる。

「いただきます」

私は、徐にスプーンを持つと
カレーライスをすくい食べてみた。美味しい……。
口にいっぱいに広がるカレーの味。
先生は、意外にも料理も得意なんだと思った。

「美味しいです。凄く…」

「……そうか……」

あれ?味の感想を言ったのだが
興味なさそうに返事をする先生だった。
あれ…反応が冷たい。いや、もとからこんな感じだけど
やっぱり礼儀正しいとか言っていたけど
私だけ冷たい気がする。
何だか複雑な気持ちで食べていると食べ終わった
睦月君が先生にお皿を出してきた。

「あぁ、おかわりか?」

そう言うと睦月君は、コクリと頷いた。
睦月君は、遊んだからお腹がペコペコのようだ。
すると先生は、席を立つ際にこちらを見てきた。

「お前もおかわりするか?」

「あ、えっと……なら、お願いします」

私におかわりするかと聞いてくれた。
私は、驚いたが嬉しくなる。
それに断るのも悪いと思い私もおかわりを頼んだ。
先生は、キッチンに行くと
私と睦月君の分をよそってくれた。
その姿を見るときちんと家事をやっているのが分かった。