「白雪。ダメ!!私がそっちに行くから
そこで待ってて」
慌てて止めるがしかし車は、たくさん走って
危険だった。白雪は、どうしてもこちらに来たいらしく
私の声を聞かずに、こちらに向かって
道路を飛び出してしまう。
横断しようと真ん中まで来るが
1台の車が白雪に気づかずに向かってきた。
「白雪!!危ない!?」
私をは、無我夢中で助けようと飛び出した。
お願い……間に合って!!
キキッーと急ブレーキの音が鳴り響いた。
その後、どうなったのか分からない。
ぼんやりとする意識の中
気づくと真っ白い場所に私は居た。
周りには、何も無い真っ白な世界。
ここは、何処?ハッ……白雪は!?
慌てて周りを見渡すが白雪は居なかった。
しかも自分は、真っ白いワンピースを着ているし。
「まさか、私……死んじゃったの?」
……有りえる。
これだけドジな性格をしているのだ。
白雪を助けるつもりで自分が引かれて
死んでしまうなんて、ある意味自分らしい。
いくら白雪のためだとはいえ
こんな所で死ぬなんて情けない。せめて先生と
睦月君とで幸せな家庭を築きたかった。
そう思うと涙が出てきた。
「大丈夫。あなたは、まだ死んでなんかいないわ」
誰かが私の前に現れた。誰……?
顔を上げて見てみるとそこに居たのは、
意外な人物だった。あなたは……!?
「沙織さん!?」
「まぁ、私の名前を知っていてくれてるのね。
嬉しいわ」
ニコッと微笑んでいた。何で……?
目の前に沙織さんが?
写真でしか見た事がないけど間違いなく沙織さんだった。
私が死んだから見えるようになったの?
混乱する頭の中。しかし沙織さんは、クスクスと笑う。
あぁ、間近で見たらなんて綺麗な人なのだろうか。
笑い方も上品で、確かに茉莉華ちゃんのママに
雰囲気が似てた。