それは……そうかも知れないけど
動物の寿命が人より短いのは、分かっている。
死んでしまったら…たくさん泣いて落ち込むだろう。
だけど、それで分かる事もある。
「だけど、それで命の大切さが分かります!!
悲しくないと言ったら嘘になるけど
だから睦月君に飼う事や命の大切さを学ばせたい。
ご迷惑をかけないようにしますからお願いします」
それでも私は、必死に頼みこんだ。
先生は、眉間にシワを寄せて黙り込んだ。
睦月君は、ギュッと子猫に抱き締める。
「……マ……一緒に居たいと言ってるよ。
僕もお世話するの手伝う。僕……飼いたい」
自分から意見を言ってくる。
あまり自分から口を出して意見を言わないから
よほどのことだ。すると黙っていた先生は、
ハァッ……とため息を吐いてソファーから立ち上がった。
「……勝手にしろ。
俺は、一切関わらないからな」
それだけ言うと行ってしまった。怒らしちゃったけど
それって飼ってもいいってことよね?
勝手にしろってことは……。
先生は、素直ではないから
簡単に許すとか言わないだろうから
これが、そういう意味だろうと勝手に解釈した。
「睦月君。良かったね。
子猫は、私達が面倒を見るならいいって」
そう言って教えてあげた。
睦月君は、子猫をジッと見つめている。
そして、私達で飼う事に。
私は、早速冷蔵庫から牛乳を取り出すと
お皿に注いで出してあげた。
ペロペロと牛乳を舐める子猫。
飼うなら猫用のキャットフードとか色々買わないとな。
「えっと…子猫の名前決めないとね。
何がいいかしら?」
子猫という名前だと可哀想だし……うーん。
猫太、小太郎……シロ?
どれもイマイチかしら?他には……。
すると睦月君がボソッと「白雪……」と言ってきた。
「白雪?それって白雪姫の白雪……?」
そう尋ねるとコクリと頷いてくれた。
なるほど、とても可愛らしい名前だわ。
「いいのではないかしら?
可愛い名前だし……あ、でもメスかしら?」
オスに白雪だと、ちょっとまずいかも
そう思って確認するとメスだった。
良かった。これで名前が決まった。
睦月君がおやつを食べている間に
私は、ノートパソコンで猫の飼い方を調べる事に。
うーん。今何歳ぐらいかしら?