えっ……S大!?
S大だなんて全国3トップの中でも断トツ1位の
名門大学じゃない!?
せ、先生ってそんなに頭が良かったの?
茉莉華ちゃんのパパもかなり驚いていた。

「S大だと……あなたみたいな人が!?」

「まぁ、途中で辞めちまったけどな。俺も妻もな。
だからお前に馬鹿にされる筋合いはない。
睦月行くぞ」

茉莉華ちゃんのパパの肩をポンと叩くと
ギロッと睨み付け睦月君を連れてこちらに来た。
すると睦月君は、チラッと茉莉華ちゃんのパパを見る。

「……無様だね?おじちゃん」

それだけ言うとこちらに来た。
睦月君……。
私は、心配そうに2人の所に向かった。
茉莉華ちゃんのパパは、黙ったまま
言い返してもこなかった。
驚き過ぎて動けなくなったようだ。

「まさか先生がS大出身だとは……驚きました」

「伝えてなかったか?まぁな。
結局辞めちまったから偉そうな事は言えないが
アイツを黙らせるには、十分だろ」

先生は、平然とした表情でそう言ってきた。
まぁ確かに……。
プライドの高そうな茉莉華ちゃんのパパには、
馬鹿にしていた人が、自分の大学より
上だと知りプライドが傷ついただろう。
凄いな先生……。
しかしそう思っていたがある事に気づいた。あれ?

「あの……奥さんもS大出身だったんですか?」

確か辞めたと言った時に
奥さんの名前が出ていたはず……?

「あぁ、アイツと知り合ったのは、大学の中だ。
まぁ学科は、違ったけどな」

それを聞いて私は、ショックを受けた。
奥さん…綺麗で上品だけではなく
凄く頭のいい方だったんだ。
どうしよう……100%勝てる自信はない。
いや、そもそも争うと思う時点でおこがましいのかも
知れないけど。すると先生が睦月君に

「それよりも睦月。お前……どうして
あの時“可哀想”だと言ったんだ?」と聞いていた。