すると睦月君は、首を横に振るう。
ということは、ワガママだと思わなかったのかしら?
だが睦月君は、キッパリと
「……別に興味ない」と否定してきた。
えぇっ……!?
それ以前の問題だった。ワガママとか
そういう問題ではなく
茉莉華ちゃん自身に興味がなかったらしい。
「そうか。興味がないなら仕方がないな。
まぁ、どうでもいい奴に何を言われても
別に痛くも痒くもないしな…実際」
先生がそう言うと睦月君は、コクリと頷いた。
先生まで!?それは、さすがに相手が可哀想だわ。
相手にもされていないのだから
「睦月君…それを茉莉華ちゃんに言ったらダメよ?
茉莉華ちゃん余計に傷ついちゃうから」
そんな事を言われたら二度もショックを受けて
泣いてしまうだろう。
睦月君は、意味が分からずに首を傾げてきた。
うーん。どう説明をしたら分かるのだろうか?
「別に言ってもいいだろ?実際に
どうでもいいぐらい迷惑してるなら。事実なんだし」
先生は、呆れたようにそう言ってきた。
そういう問題ではないと思います。
「茉莉華ちゃんは、父親の影響でそう言っただけで
悪気があった訳ではないと思うのです。
それなのに”どうでもいい”とか“興味ない”とか
言われたら傷ついてしまいますよ?
相手は、子供なんですから」
私も同じ事を言われたら立ち直れなくなってしまう。
それに女心は、それぐらい難しい。
些細なことでも傷つき怒らせてしまう。
だから思っていても口に出さない方が……。
「めんどくせーぞ。それに睦月が何を言われても
黙って耐えろと言うのかよ?」
「べ、別にそういう意味では……」
「じゃあ、どういう意味だ?言うのは、勝手なら
こっちもどう言おうが勝手じゃねぇーのか?
文句を言われる筋合いはねぇーぞ」
先生にそう言われると何も言えなくなってしまう。
確かにそうなのかも知れないけど……。
だからと言って同じ事を言ってもいいのだろうか?
すると間で聞いていた睦月君が口を開いた。
「……別に僕は、何を言われようが平気だよ。
文句を言うぐらいなら黙って言われていた方が
まだマシだもん」