「あっ……そういうことな。じゃあな。睦月」
呆れつつも返事してくれた。
さすが親友同士なだけあってお互いに
分かり合っているわね。感心して見ていると
茉莉華ちゃんが急に怒り出した。
「ちょっと睦月君。茉莉華を無視しないで!
茉莉華の言っていた事をちゃんと聞いてましたの!?」
興奮気味に言ってきた。あぁ、怒らしちゃった!?
どうやら彼女の機嫌を損ねたらしい。
しかし睦月君は、茉莉華ちゃんの方をジッと見る。
そして……。
「………で?言いたいのは、それだけ?」
「そ……そうですわ」
「…そう。じゃあバイバイ。茉莉華ちゃん」
睦月君は、サラリとそう言うと
さっさと歩いて行ってしまった。えぇっ!?
それだけなの?睦月君……。
私は、慌てて追いかけようとした。
すると茉莉華ちゃんは、泣き出してしまった。
「うわ~ん。睦月君が……茉莉華に意地悪する~」
「えっ?あのね……茉莉華ちゃん。違うから!?」
私は、どうしたらいいのか分からず戸惑ってしまう。
必死に慰めていると泣き声に気づいた中川先生が
慌ててこちらに来てくれた。
「茉莉華ちゃん!?どうかなさったのですか?」
「あの……すみません。
茉莉華ちゃん泣いてしまって……」
「どうしたの?茉莉華ちゃん。
何で泣いちゃったのかな?」
中川先生が優しく慰めると茉莉華ちゃんは、
「ひっく……睦月君が茉莉華に冷たく……しますの。
意地悪して……くる」と泣きながらそう言ってきた。