「初めてお会いするのかしら?
私は、茉莉華の母の竜ヶ崎です。よろしくお願いしますね」

「あ、えっと…クローバー社で蓮見……ではなかった。
藤崎先生の担当編集をしている小野木です。
よろしくお願いします」

慌てて名刺を取り出し渡した。

「まぁ、編集者なんて立派なお仕事ね。
良かったら小野木さんもこちらに参加して下さい。
人数は、多い方が助かりますし。ねぇ皆さん」

周りに言うと他の奥さん方も賛成してくれた。
しかし、そういう訳にはいかない。
部外者だし、睦月君達も一緒に居るから

「あ、いえ本来なら部外者ですし
お邪魔しました」

頭を深々と下げると慌てて睦月君と拓馬君を連れて
出て行く。ハァッ…恥ずかしかった。
思わない恥をかいてしまったわ。

「おい。何をやってんだよ?おばちゃん」

拓馬君に呆れたようにツッコまれた。
うぅっ……情けない。
先生が保護者が終わり戻って来たのは、
それから15分ぐらい経った頃だった。

「おい。お前何をやってんだよ?」

「す、すみません……」

先生は、眉を寄せながら不機嫌そうに言ってきた。
怒っている。間違いなく呆れ返られた。
しゅんと落ち込んでいると拓馬君のママも来た。

「あ、母ちゃん!!」

「拓馬。もう大人しく待っていてと言ったじゃない。
あの……うちの子がまた迷惑をおかけしたみたいで
すみません」

「あ、いえ。コイツが気になって
勝手に連れ出しただけなので気にしないで下さい」