「だ、だって~急に舐めるから」
「まったく。こんなの驚くほどでもないだろ?
ただ指を舐めただけなのに」
そんな事を言われても驚かない方が無理がある。
こんな事をされるのは、慣れてないし
何よりやったのが先生だ。だから……余計に恥ずかしい。
すると先生のそばに来た睦月君が
「パパ……セクハラ」とツッコんできた。
睦月君!?
「はぁっ?何で俺がセクハラなんだよ?」
すると睦月君は、何も言わずに
先生の背中にベッタリとしがみついて甘えてきた。
どうして睦月君は、セクハラなんて……?
「まったく何だよ……言わないと分からないだろう。
言うだけ言って甘えるなよ」
ブツブツと文句を言いながらも
私の指に絆創膏を貼ってくれた。
まだ、心臓がドキドキと高鳴っている。
「あ、ありがとうございます」
「無理なら、無理にやらなくてもいいんだぞ?
後は、俺がやるから」
「だ、大丈夫です。まだやれます!
私にやらせて下さい!!」
こんな中途半端で終わらすなんてしたくない。
ちゃんと作れる所を先生に見せたい。
私は、必死に頼み込んだ。
少し考え込む先生。ダメだろうか?
「お願いします」
「分かった。ただし無理だけはするなよ?
お前が張り切るとろくな事がない」
先生にため息を混じりにそう言われてしまう。
ガーン!!確かにそうなんだけど……。
ハッキリと言われると傷ついてしまった。