何とか切ると仮縫いをする事にする。
これが、また大変だった。
なんせ苦手な上に衣装作りなんて初めてだし

「あれ?このまま縫ってもいいのよね?
えっと…痛っ!!」

誤って自分の指を刺してしまった。痛い…。
これで何度目だろうか?
指を舐めてると睦月君がこちらに寄って来た。

「あ、待った!!
ダメよ……今針を使っているから」

慌てて止める。針とまち針を使ってるから踏んだり
触ったりしたら大変だ。睦月君は、きょとんと
首を傾げるがそれ以上近づかないでいてくれた。
すると先生がリビングに入ってくる。

「どうだ?形になってるか?」

「先生…だ、大丈夫です。上手く縫えています!」

慌てて左手を隠した。
しかし、すぐに気づかれ左手を掴まれた。

「どこが大丈夫なんだ?あっ?
まったく怪我してるじゃねぇーかよ。
自分の指まで縫う気か?」

呆れたようにため息を吐かれた。
うぅ……バレちゃった。
せっかく上手く出来たのを見せるはずだったのに。
すると先生は、棚から救急箱を持ってきてくれた。

「まったく。血まで出てるじゃねーか」

そう言うと私の指をペロッと舐めてくる。

「ひゃっ!?せ、先生…」

頬が熱くなってしまう。い、今……舐めた!?
私の指を舐めてきた。
心臓がドキドキして高鳴っていた。

「指を舐めたぐらいで何、真っ赤になってんだよ?」