「先生…裁縫は苦手なんですか?」

「あぁ俺は、そこまで器用じゃねぇーぞ。
手作りで必要な物は、他の奥さん方が率先して
やってくれるから助かっているが…どうするかな」

頭をかきながら作り方を書いた用紙を見ながら
悩んでいた。こ、これは…!!
アピールのチャンスかもしれない。
私は、勇気を出して手を挙げた。

「あのその衣装作り私にやらせて下さい!!」

「はぁっ?お前…裁縫は出来るのか?」

明らかに疑ったら目で見る先生だった。
うっ……得意かと言われると私も苦手だ。
だが、やってもらってばかりだしこれぐらいのことは、
やらないとアピールにならない。
少しは、努力しなくちゃあ!!

「だ、大丈夫です。私に任せて下さい。
作り方も書いてありますし」

「何だかお前のやる気は、ある意味心配だな。
まぁ…いいか。お前に任せる」

何だか疑われているが私に任せてくれた。
やった…これは、チャンスよ!
少しでもいいところを見てもらい見直してもらいたい。

「はい。お任せ下さい」

私は、張り切って笑顔で返事した。
よし……頑張らなくちゃあ!!
私は、一層やる気を出して衣装作りを始めた。
えっと……まず睦月君のサイズを測って
布を切らないと。

「睦月君。寸法測ろうか?」

メジャーを出しながら呼んだ。
睦月君の寸法を測り紙に書く。
そして貰った型紙をサイズに合わせて布を切る
つもりだったのだが上手く切れない。

「意外と難しいわね……これ。
あぁギザギザになっちゃった!?」