「まったく。これで話は、終わりだ。行くぞ!」

先生は、そういい放つと睦月を抱っこし直し
そのまま部屋に戻ってしまう。
私は、慌てて先生の後ろを追いかけた。

その後どうなったかと言うと
芸能の話題は、先生の方に向いてしまった。
あの大人気のベストセラー作家・蓮見先生が
若いイケメン男性だと分かり大注目を浴びてしまう。
しかもイクメンパパだ。

特に若い女性や中年女性からの人気が高く
神野飛鳥の話題が薄れてしまうほどだった。
だが、私も浴びてしまったため編集長に怒られてしまった。

「まったく。蓮見先生が表に出てきたのは、
良かったが……お前まで注目を浴びてどうするんだ!?
とにかく収まるまで先生と息子さんは、
ホテルに住んでもらう。
荷物は、別の奴に運んでもらうからな」

「えっ?ですが……」

「これだけの騒ぎになっているのだ。仕方があるまい。
こちらも、もっと騒がれる事を推定して動かないと
取材がしたいと電話が鳴りっぱなしだ」

えっ?取材がしたいと電話……!?

「今度発売の小説のサイン会も含め忙しくなるぞ。
小野木は、そうだな…」

「わ、私にそのまま担当させて下さい!」

編集長の話が終わる前に私は、そう宣言した。
このままだと担当編集者として外される。
このまま離されるのは嫌だ!
まだ編集者として何も力になってもいないのに。

「ダメだ。もし報道陣に気づかれたら
また怪しまれるぞ?」

「お願いします!!
このまま離されるなんて嫌なんです」

私は、負けじと言い返した。
しかし、渋る編集長はなかなか許可をくれない。
だが、その時だった。