祖母も母に注意をしてくれてやっと母が折れてくれた。
私は、普通からしたらワガママなのかもしれない。
だが、それでも通したいことがある。
諦めたくないと思ったからだ。
こうして私は、本当の意味で岐阜に住むことになった。
それが正しかったのか私には、分からないが
決意をしたからには、ちゃんとやりたい。
本当の意味で母に納得してもらうために
頑張らないとならないと思った。
そして、それから2ヶ月後。8月から10月になる頃に
私は、祖母の家から新しい学校に通うことになった。
転校生として。
知らない学校に通うことに不安はある。
上手くやれるだろうか?友達……出来るだろうか?
真由香みたいな子が居たらどうしよう。
でも頑張ると決意をしたのだから
ここで嘆いていたら意味がない。
私は、自分の尻を叩く思いで靴を履いた。
「菜乃ちゃん。はいお弁当。大丈夫?
お祖母ちゃんも途中まで一緒に行こうか?」
「大丈夫だよ。お祖母ちゃん。
じゃあ行ってきます」
祖母から弁当を受け取り私は、早々と家を出た。
学校までバスに通う。アユカのカードで
ピッと機械にかざし私は、座席に座った。
周りの学生も何人か同じ制服を着ていた。
何年生かな?なんて思いながらドキドキして
周りをキョロキョロしながら見ていた。
そして目的地のバス停まで来ると降りて学校に向かった。
まず職員室に来るように言われているため
私は、緊張しながら職員室に向かった。
すると驚くことがあった。
「我が学校にようこそ。菜乃ちゃん」
「えっ……涼太君のお兄さん!?」
そこに涼太君のお兄さんが居た。
高校の教師だと聞いてはいたが、まさか私が
新しく通う高校の教師だとは思わなかった。
まさかの……偶然だ。
しかし涼太君のお兄さんは、ニコッと笑っていた。
「いや~びっくりしたよ。俺のクラスに受け持つことに
なったからどんな子かな?と思ったら
まさかの菜乃ちゃんだったから。偶然にしては、凄いよね」
「えっ……えぇっ!?もしかして
私の担任の先生なんですか?」
「そうだよ。2年3組。担任の小林圭一です。
例え知り合いでもビジバシと厳しく接するからよろしくね」