「あーでもさ。このお店も無くなるなんて
ショックだぜ。まぁ病院の近くに新しくパンケーキ屋が
出来たならそっちに行けばいいんだけどさ。
そこもすげぇ美味しいんだけど学生にとったら
ちょっと高いんだよな。同じのだと軽く千円越すし」

えっ?病院って翔馬君が入院していた
東海中央病院のことだろうか?
そんなに近くにあるなんて気づかなかった。
食べてみたい。こことまた違うのだろうか?

「いいなぁ~食べてみたい」

「じゃあ、今度一緒に行こうぜ?
そこは、メレンゲを分けて注文を聞いた後に
合わせて焼くから中がふわふわなんだぜ。
それに菜乃には、他にも案内したい場所が
たくさんあるんだ。それに……」

はしゃぎながら話す翔馬君だったが
お互いに目が合うと恥ずかしくなってきた。
また一緒に行こうとか他にも案内したいとか……。
まるで次のデートを意識しているみたいで恥ずかしくなった。

「なぁこれ……食べ終わったら本屋にでも行こうぜ?
買いたい本あるし」

「えっ?ペットショップは?
食べたら行こうって言ったよ~」

「えっ?あ、そうだっけ?
なら先にペットショップな」

もー忘れているし。私は、頬を膨らませたが
翔馬君と過ごす時間は、本当に楽しかった。
お互いにいろんな話が出来るし翔馬君は、意外と
聞き上手で私の話しも嫌な顔をせずに聞いてくれた。
それにパンケーキもあっという間に完食してしまった。

そして食べ終わると私達は、ペットショップに
先に立ち寄った。可愛らしい子猫や子犬が並んでいた。
希望があれば触らせてもらえるらしい。

「可愛い~」

私は、大はしゃぎ。ウチは、ペットを飼っていないので
なおさら憧れる。賃貸マンションだし
こんな可愛しいペットが居たら癒されるのに。
いいなぁ~と思いながら見ていた。すると

「俺んちは、猫がいるぜ。
ピーターって名前なんだけどさ。オスの」

翔馬君がそう言ってきた。えっ?
翔馬君のところは、猫が居るんだ……いいなぁ。
きっと猫を抱っこしている姿は、似合っていて
可愛らしいだろう。だがそう言ったら怒るだろうから
可愛くは、言わないでおこう……。