凄い……どれぐらい長いのだろうか?
思った以上に巨大だった。
人もファミリーや若い人やお年寄りまでたくさん居て
賑わっていた。

「菜乃。左に行って。ペットショップと
家電を通り過ぎるとエレベーターがあるから」

「えっ?あ、うん。」

私は、翔馬君に道案内をしてもらいながら左に向かった。
ペットショップには、可愛らしい犬や猫などが
ショーケースの中で遊んでいた。
可愛いなぁ……後で見れないかな?
チラチラと歩きながら見ていたら翔馬君は、
それに気づいてしまった。

「菜乃。あれ見たいのかよ?」

「う、うん……少し」

「じゃあ、後で見ようぜ。
映画観て、昼めし食べた後ぐらいに」

「う、うん。」

一緒に見ようと言ってくれた。やった……後で見れる。
私は、後で見れることに喜んだ。
翔馬君は、そんな私を見てハハッと笑っていた。
エレベーター乗り場まで行くと待っていた。
何人かの人もエレベーターを利用するらしく待っていた。

1階まで着くとぞろぞろと降りてきた。
全員降りたのを確認すると私は、車椅子を押して
エレベーターに乗った。すると年配のおばさんが
旦那さんらしき人に

「まぁ、車椅子なんて……可哀想に」と
言っているのが聞こえた。

わざわざ口に出して言わなくてもいいのに……。
私は、ちょっと嫌な気持ちになった。
しかしよく見ると他の人もチラチラと翔馬君を見ていた。

車椅子が珍しいのか障がい者が珍しいのか分からない。
ただあまりジロジロ見られるのは、いい気はしない。
3階で降りると翔馬君は、一番奥にあるから
進んでと言ってきた。

えっ……奥なの!?
なかなか距離があるから行くのも大変だ。
それに人も多いので押す時も気を付けないとならない。
私は、周りに注意を払いながら車椅子を押して行った。
思ったより車椅子で生活をするのは大変だと知った。