いざ翔馬君の居ると分かるとドキドキしてきた。
ここまで来たら中に入らなくちゃあ……。
私は、思い切ってノックをすると
翔馬君のお母さんの声が聞こえてきた。
「あ、あの……松嶋菜乃です。
お見舞いに来ました……」
「まぁ菜乃ちゃん!?どうぞ……中に入ってきて」
「失礼します……」
私は、恐る恐るドアを開けた。
すると個室になっており翔馬君とその母親が居た。
翔馬君は、水色に近い青の水玉のパジャマを着ており
点滴をつけていた。
何だか疲れた表情でこちらを見ていた。
「翔馬君!?大丈夫?」
「菜乃……何でここに?」
「えっと……お見舞いに来たの。ほら、これ。
美紀子さん達が代わりに行ってほしいって
私に持たせてくれたの」
美紀子さんが持たせてくれたお菓子の詰め合わせを
見せた。中身は、ショコラで作っているクッキーや
マドレーヌなどが入っていた。
「まぁ……ありがとう。
お見舞い品なんて良かったのに……」
翔馬君の母親がそう言うが
翔馬君自身は「最悪……」と言いながら
深いため息混じりに呟いていた。えっ……?
ため息を吐かれて最悪を言われてしまい
私は、ガーンとショックを受けた。
もしかした迷惑だった?
私がお見舞いに来たこと……。
「翔馬。お母さん……何か飲み物を買ってくるわね。
菜乃ちゃん。ごめんなさいね……この子。
ちょっと拗ねちゃって」
「えっ……は、はい。お構い無く」
私は、慌てて言うが翔馬君の母親は、
気遣って病室から出て行ってしまった。申し訳ない。
すると2人きりになってしまった。
どうしよう……凄く気まずい。