考え事をしている間にいつの間にか三柿野駅に着いた。
私は、慌てて降りると地図を頼りに行き交う人に
教えてもらいながら向かった。
病院には、歩いて20分ぐらいの距離にあった。
ここね。大きな病院が見えてきた。
東海中央病院は、公立学校共済組合がやっており
全国にいくつが建設されている。そういえば東京にも
中央病院がある。そこの系列だろう。
ドキドキしながら中に入ると受付になっており
エスカレーターが見えた。
私は、エレベーターの方に乗ろうとするが
左右にエレベーターがあるため
どっちを使ったらいいか分からなかった。
するともう少し進んだところにエレベーターが見えた。
そうだ。エレベーターにしよう。そう思った私は、
そこまで向かい待っていた。そうしたら左側の広い
エレベーターが開いた。
その際にキャスターがついたカゴを
引っ張って一緒に待っていた女性に声をかけた。
薄いピンクに近いラベンダー色に白いズボンを
穿いていたから看護師さんだろうか?
「あの……このエレベーターは、
4階の病棟に止まりますか?」
「はい。止まりますよ!」
ニコッと笑顔で答えてくれた。
あ、良かった……。
ホッと胸を撫で下ろすとその方が
「こっちは、患者さんの運搬などに使うので
出来たら向かい側のエレベーターを使ってくださいね」
「えっ?あ、すみません……どうしよう」
確かに横の貼り紙にそう書いてあった。
あぁ、間違えた……。
するとその女性は、クスクスと笑われた。
「大丈夫ですよ。
混んでいたらの話ですから」
あ、それなら良かった……。
一緒に乗せてもらうことにした。
しばらくすると4階に着くとドアの開くボタンを
押してくれた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
お礼を言うと私は、エレベーターを降りた。
メモだと東4階らしい。こっちよね?
左側の東4階に向かうと
翔馬君が入院している病室を探した。
あった……。