頭の中がパニックになる。
私は、どうしたらいいのだろうか?
もしかして、私のために無茶したから?
涙目になっていると美紀子さんは、
クスッと笑うと私の頭を撫でてくれた。

「心配しなくても大丈夫よ。
大したほどではないし、すぐに熱も下がるわ。
それに、あなたのせいではないわ。
仕方がないことなのよ……こればかりは」

仕方がないことって
翔馬君にとったら仕方がないことなの……?
そんな重い症状なのに……。
しゅんと落ち込んでいると美紀子さんが

「そうだわ。今からでも私達の代わりに菜乃ちゃん。
お見舞いに行ってくれないかしら?」

私に対してそう言ってきた。
えっ?私がお見舞い!?
凄く行きたいけど……でもバイトがあるはさ……。

「えっ……?
でもアルバイトがありますし」

「それなら大丈夫よ。でも忙しくて私達は、
なかなかお見舞いに行けないのよ。
菜乃ちゃんが代わりにお見舞い品を
届けに行ってくれたら助かるのだけど……」

そ、それなら……。
私は、お見舞いに行くことを決意した。
申し訳ないと思いながらも心配なので
様子を見に行きたいと思ったから。

「わ、分かりました。行きます」

「本当?助かるわ~なら地図と
お見舞い品を用意するわね」

美紀子さんは、そう言うと紙を出して
住所を書き始めた。
私が責任を感じて落ち込んでいるから
元気付けるために任せてくれたのだろう。
ありがたい限りだ。
そして私は、美紀子さんに住所を書いた地図と
お見舞い品用のお菓子の詰め合わせを持たせてくれた。

「えっと……翔馬君が入院している病院は、
東海中央病院ね?」

ここからだとJRか名鉄電車を使った方がいいと
教えてもらった。なので私は、名鉄で行くことにした。
岐阜駅から各務原線の電車に乗った。
向かう先は、三柿野駅だ。

座席に座りながら考えていた。
美紀子さんが言っていても不安で仕方がない。
本当に大丈夫なのだろうか?
熱は、あれから下がっているといいけど