「えっと……このイチゴスペシャルと
レアーチーズケーキを1つずつ。
あと森のクマのチョコケーキを2つ下さい」

え、えっと…イチゴスペシャルは……?
たくさんショーケースに入っているため
どれが何処にあるのか分からなくなってしまった。
ど、どうしよう。私は、パニックになってしまう。

「かしこまりました。菜乃ちゃん。
イチゴスペシャルは、こっちで1つ。
レアーチーズケーキは、あっちで1つね」

「は、はい。」

パニックになっていた私に美紀子さんは、
てきぱきと指示を出して教えてくれた。
た、助かった……。
私は、指示の通りに素早くトレーに乗せていく。

「森のクマのチョコケーキは、あっちで2つずつね!」

森のクマ……あれね。
私は、ショーケースから取り出してトレーに乗せた。
これで全部だろう。

美紀子さんは、それを目で確認すると
「菜乃ちゃん。それを翔馬君に渡してね。
では、お会計を……」と言いながらレジをしていた。

「あの……お願いします……」

「おうよ!」

翔馬君に恐る恐る渡すと彼は、笑顔で受け取ってくれた。
そしてケーキが乗ったトレーを受け取ると
素早く箱に詰めてくれた。
こちらもテキパキしていて早かった。
さすが……慣れている。一切無駄がない。

感心しながら見ていると箱を詰め終わった翔馬君は、
蓋を閉めてシールを貼ると私に箱を渡してきた。
私は、慌てて受け取ると女性客に箱を渡した。

「お、お待たせしました。
ありがとうございます」

緊張しながら渡すと女性客は、その箱を見て
嬉しそうにニコッと笑ってくれた。
あ、笑ってくれた……。