「あぁ、そうね。未成年だから
保護者の許可が必要よね。
分かったわ。親御さんに聞いてみて」
「は、はい。ありがとうございます」
本当は、すぐにでも働きたいと言いたかった。
でも不安もある。
すぐに言い出せないのは、自分がいくじなしだからだ。
「何だ……すぐにでも
一緒に働けるもんだと思ったのに」
「あら、残念だったわね。翔馬君」
「な、違う。そういう意味ではなくて……。
なぁ、それよりお茶。お茶呼んで」
「はいはい」
頬を赤く染めて慌てる翔馬君に
美紀子さんは、クスクスと笑っていた。
私は、意味が分からなかった。
2人のやり取りもだが……お茶を呼ぶ?
お茶を呼んでも返事はしないと思うが?
不思議そうに首を傾げてると翔馬君は、私に気づいた。
「あ、あぁお茶を呼ぶは、お茶をついでとか
注いでって意味。岐阜弁だよ」
翔馬君が詳しく教えてくれた。
あぁ、そういう意味か。
私は、てっきり本当に呼ぶのかと思った。
「あ、そっか……びっくりしちゃった」
「さすがに本当に呼んだらアホだろ?
なぁなぁ、それより菜乃は、何処中?
歩いていたからこの辺?」
翔馬君は、笑いながら思い付いたように
私に質問してきた。確かに本当に呼んだら
可笑しいけど、何中と言われても……!?