「当たり前だ。叔父さんのケーキは、
日本一美味しいからな。
このチョコの削った部分は、俺がやったんだ!」
「えっ?そうなの?
凄い……ケーキ作りも手伝っているのね」
「まぁな。ほら、食べてみろよ?
すげぇ旨いから」
「う、うん。いただきます」
翔馬君が言うので早速デザート用のフォークを取ると
ケーキに刺して食べてみた。美味しい……。
確かに翔馬君が言った通りに甘さ控えめで
ほんのりビターな味がした。
スポンジもふわふわでしっとりしている。
私の知っているケーキ屋の中でも1番かもしれない。
「うわぁ~美味し~い!!
甘さ控えめでスポンジもふわふわ」
上手く伝えることが出来ないが
とにかく美味しいと伝えたかった。だが
翔馬君には、伝わったのか表情がパアッと明るくなる。
「そうだろう?俺も小さい頃から好きなんだ。
叔父さんのケーキ。旨くてさ」
翔馬君は、自分のことように嬉しそうに
笑顔を見せてきた。
私は、その嬉しそうな表情に何だか
ドキドキしてしまう。それを誤魔化すように
紅茶を飲むのがストレートティーだった。あれ……?
「菜乃。お前……ミルクは?」
「あっ……」
慌てて飲んだためミルクを入れ忘れていた。
しかも砂糖も入れていない。
ストレートで飲む人も居るか私は、苦手だった。
すると翔馬君は、それを見てアハハッと笑ってくる。
「お前……やっぱりドジだな。
転ぶし、ミルクも砂糖も入れ忘れて」