「あ、村瀬君だ~うん。遊びに来たの」
綾ちゃん達は、普通に答えた。
最近では、私と話すようになってからか
村瀬君に対するクラスの見方が変わり出した。
取っ付きにくく怖い一匹オオカミのイメージが強い村瀬君だが。
普通に話せる人だと分かりただ無愛想で不器用な人と
なりつつあった。本人は、対して変わってないと言うが。
「よう。歩斗!」
涼太君は、笑顔で村瀬君に挨拶すると村瀬君と
ハイタッチした。そういえば翔馬君と親友なら
涼太君とも知り合いになるのか……。
涼太君のお兄さんも昔から村瀬君のことを知っているから
いい子達だと言ったのだろう。
なるほど……と納得する。
会話を気にしながらクッキーなどの商品に目を向けると
村瀬君の弟・朔斗君と璃空君が一生懸命選んでいた。
クッキーを何するか選ぶ朔斗君と違い璃空君は、
微妙に身長が足りないため必死に背伸びしていた。
手元のものは、見えるが奥のが見えないようだ。
私は、どうしたものかと悩んでいると村瀬君がそれに
気づき璃空君が見えるように抱っこした。
「あのね、あのね。僕ね……これとこれがいい」
「璃空。他にも食べたいなら1つにしておけ。
朔斗もだぞ。そんなに買わないからな」
「えっ……?」
気づくと両手いっぱいに持っている朔斗君。
どうやら決めかねて持てるだけ持ってしまったらしい。
欲張りな朔斗君に思わず笑ってしまう。可愛い……。
すると涼太君のお兄さんが腕時計を見ながら
「そろそろ。パレードが始まる時間だな。
君達も近くで見たいなら場所取りをした方がいいんじゃないか?」と言ってきた。
えっ?パレード!?
それは、見てみたいと思った。
綾ちゃんと梨香ちゃんは、慌てたように
後で買いに行くからねと言い慌てて走って行った。
すると美紀子さんも慌ててお店から出てきた。
早く行かないと小嶋旬が見れないと……。
美紀子さんまで……。
私達は、苦笑いしながらパレードを見るため
しばらく伊吹さんに代わったもらい見えるところまで
移動することした。
途中で、そこでお昼を食べるためコンビニで
お弁当も買った。村瀬君と涼太君も一緒だ。
何とか見える位置まで行って待っていると
パレードが始まり「音楽隊パレード」や
「市民勝手カーニバル」など
それぞれのパレードの列が行進してきた。
すると次は「火縄銃鉄砲隊」だ。