「俺、春宮さんが好きだ。俺と付き合ってくれないかな？」

気持ちが溢れてしまって、口から勢いよく言葉が出てしまった。
だけど今回は、ちゃんと「付き合って」という具体的な言葉も入れた。
勢いまかせな告白だけど、彼女に伝わってほしい。

春宮さんは目を見開いたかと思うと頬をピンクに染めた。
これはいけるんじゃないかと思った。
だけど、彼女の口からは「ごめんなさい」と謝罪の言葉が紡がれた。
そのまま俯いてしまう。

フラれたのは俺なのに、春宮さんがあまりにも小さくしゅんとしているものだから、逆に心配になってしまう。

「ええっと、うん、わかった。」

俺は最適な言葉が思い付かず、とりあえずの相槌を返す。
どうすることもできなくて、しばらく二人の間に沈黙が流れた。