向かった先は、学校裏のお社だった。

ここはいつでも私の避難所で、反省場所で、相談場所だった。

ここは校長の白虎の虎次郎先生の住処。
そして、ここには白の君が居る。

文字通り、白い着物で、白い髪で、神々しくおわす社の主はこの山の神様。

白の君はおばあちゃんとも仲良しで、私は小さな頃からお世話になり可愛がられているし、この村の子はみんな白の君に見守られている。

「おやおや、騒々しいと思ったら穂乃香かえ?」

お社からひょいっと顔を出してくれた白の君に、私はわぁっと泣きついた。

「白の君! どうしよう、悲しくなったからって、思い通りにいかないからって……。私、言ったらいけないこと言っちゃった」

ここにくるまでに、私はすっかり自身が絋くんに投げた言葉に反省しきりだった。

「ふふ、そなたは賢く思いやりのある子よの。投げた言葉の善し悪しが分かっておるなら、その収拾も思いつくであろう?」

優しく頭を撫でつつ言われたその言葉に、ぐっと喉を鳴らしつつ私は頷いた。