そうして、それでも諦めきれない私はその日の帰り道、マチ子と大吉と別れて絋くんと二人になった時、もう一度だけ聞いた。

「絋くん、私高校も絋くんと一緒がいいよ。どこに行くか教えてよ?」

そう聞いた私に、絋くんは私に真っ直ぐ向いて念話で伝えてきた。

「穂乃香は人間でしょう? 人里に出たらきっと俺以外が良くなるよ? 一緒じゃなくって、いいんじゃないか……」

まさか、そんなことを考えていたなんて私は想像もしていなくって、ガツンと頭を殴られたような衝撃に思わずふらついた。

そんな私を支えようとした絋くんの手を、私は初めて振り払った。

「なんで? なんで、そんなことを言うの? 大好きだよって、一緒にいたいよって、離れたくないよって、ちゃんと言ってるのに!!」

私の初めての大きな声での訴えに、絋くんは払われた手をだらりと下げて、一歩後退した。

「私の好きは絋くんに伝わらなかった? 絋くんも私を好きでいてくれてるって自惚れてたのかな? こんなふうに言われるなら、好きって言わなきゃよかった……」

私は、絋くんを見ていられなくってその場から駆け出した。