学校に着けば、先生がにこやかに迎えてくれる。
私たちの担任の先生は白髪の美人。
白根雪子先生。
名前の通り、雪女の先生は今の時期は氷を自身に纏わせてなんとか日々を過ごしている。
現在もうすぐ夏休み。
私たちはそろそろ、受験について真剣に考えなきゃいけない時期に来ていた。
「おはよう、みんな。今日も暑いわねぇ。さぁ、教室に入りましょう」
先生に促されて、私たちと小学生組は昇降口で内履きに履き替えると別れて教室に向かう。
生徒数の少ないこの学校は幼稚園こそ別棟だけれど、小学校と中学校は校舎が一緒で下が小学校、上が中学校と分けられている。
小学校の方の担任は、普段は首を短く見せているが、ろくろ首の首藤花子先生である。
そして、小中の校長を兼ねているのがこの学校の裏手にある神社の神の御使いの白虎の君。
戸井田 虎次郎先生である。
ちなみに二十年近く校長を務めているが、容姿を変えて名前も変えての勤続年数なので、だいたい五年で交代しているが、中身は変わっていないのだった。
これも、この村だけでの秘密である。