「さっきはガツンって流れてきたんだ。穂乃香の深い悲しみと、悔しさとそれでも溢れるほどの俺を想う気持ちが……」
絋くんは、私を見つめて言った。
「穂乃香、俺だってずっと一緒がいい、この先もずっと。穂乃香が大切で、愛おしくって仕方ないよ。俺は人間じゃないけれど、いいかな?そう望んでも……」
私たちを隔てているもの、それが絋くんの中では大きかったんだ。
私はとっくにそんなもの気にならないほど、絋くん一筋なのにね。
「バカ! 大好きだよ……」
私は泣き笑いになりつつ、絋くんに飛び込んだ。
絋くんはここ数年で大きくなって、私は小柄なまま。
だから飛び込んだら、すっぽり収まった。
「うん、ありがとう。俺も大好きだよ」
そんな私たちのやり取りに、ニヤニヤ笑って爆弾を落としたのは白の君だった。
「ふふふ、ほんに子らは青いのう。種族で悩むなんて可愛いものじゃ。だが良いことを教えてやろう? 穂乃香も立派にあやかしの血を引いておるから、一緒になるのにはなんの問題もあるまい」
その言葉に私と絋くんが目が点で、数秒口ポカンで固まったのは言うまでもない。