「ダメダメ。説得力ないって」

 頭から湯気が出そうなほどの恥ずかしさをこらえる私の肩に、ひかりはポンと手を置いた。

「すごく楽しい。瑞穂と話ができてうれしいよ」
「……うん」

 私も、うれしい。私も、楽しい。

 それでも……これ以上仲良くなったら――。

「ねぇ瑞穂」

 顔を寄せてひかりは声のトーンを落として言った。

「瑞穂がなにを不安に思っているのかわからないけど、あたしは味方だよ」

 味方……。

「うまくしゃべれなくても、言葉にできなくてもいいから、これからも普通に話しかけるからね」
「あ、うん……」
「よし。じゃあ、今夜はその入浴剤であたたまって、早めに寝るんだよ」
「……ありがとう」