「あれ? 廈織くんたちの方は誰が来るの? もしかして一人?」
廈織くんは「あー」と声を出しながら少し言葉を選び、答える。
「ボクが連れ来たのは女の子二人。そろそろ戻ってくると思うよ」
「うわ、お前、女寄せ集めてきたんじゃねーだろうな」
わざとらしく嫌そうな顔をする悠希に廈織くんは笑った。
「安心しなよ、ちゃんと君らも知ってる子だし、特別ゲストを連れて来てるから」
「は?」
自信満々に言う廈織くんに私たちがポカンと口を開けて首を傾げていると、駅の中から見慣れた少女と、小柄な可愛らしい少女が仲良くこちらに向かってきた。
道行く男性の多くが少女二人の姿を一瞬ではあるものの視界に入れては通り過ぎてゆく。
「ああ、ほら、あの子たちだよ」
廈織くんに気が付いたらしい少女たちは足早に私たちの前にやってきた。