「言っておくけど、悠ちゃん彼女いるよ」 「悠ちゃん?」 「あっ」 しまった、と思った瞬間には七海がこちらを見て嬉しそうに笑っているのが見えた。 「なんかいいなー、そういうの。七海も幼なじみ欲しかったな」 頬を染め、夢見心地の七海に私はため息をついた。 「結構めんどくさいよ」 「そうなの?」 「うん」 他愛のない会話は教室に到着してからも続いた。 「琥珀ちゃん。これからよろしくね」 「こちらこそ」