*   *   *



 一体どこで間違ってしまったのだろう。

 正しい選択肢を選んできたはずなのに、どうやらその道はバッドエンドへと続いていたらしい。

 悠希は無表情のまま、彼女の私と対峙していた。

 長い沈黙を最初に破ったのは、悠希。


「まさかお前の仕業だとは信じたくなかったけどな。どうしてこんなことしたんだよ……希望」


 悠希の部屋に呼び出された私が最初に感じたのは、哀れなものを見るような冷たい視線。

 一瞬で全てを理解した私は、座った瞳を悠希へと向けた。

 私は正座をしながら両腕を組み、いつもより低い声でようやく言葉を発した。


「どうして? 聞いてどうするのよ」


 悠希の肩がピクリと動く。


「俺は理由を知りたい。どうしてお前があいつにこんなことをしたのか。原因は何なんだ?」


 悠希の言葉に私は嘲笑した。


「元凶が何言ってんの?」


 悠希は酷く動揺しているようだった。


「全部あんたが悪いのよ。口を開けば琥珀、琥珀って。私があんたたちのことを一番気にしてたの知ってるくせに、酷いよ」


 わっ、と泣き出してみせた私を、悠希はただジッと見つめていた。