* * * 数十分後、泣き疲れ、眠りについた琥珀の髪を優しく撫でながら、悠希はおもむろに自分のスマホを取り出し、発信ボタンを押した。 「もしもし。あのさ、今晩少し話したいことがあるんだけど、時間作れるか?」 穏やかな表情で眠る幼なじみの目の下に出来たクマを見つめながら、悠希は無表情で着信を切った。