「見て! やっぱりこの制服、可愛いと思わない?」


「ん? ああ、いいと思うよ」


「適当だなー」


 四月。

 咲き乱れる満開の桜並木の下を歩く私たち。

 今日は入学式。


「そういえば、希望ちゃんは? あの子も受かったんでしょ?」


 悠ちゃんは「ああ」と思い出したように口を開いた。


「友達と先に行ってるって。あいつの家は逆方向だから」


「そっか」


 ふてくされる私の横で悠ちゃんは面白いものを見つけた子供のように悪い顔をした。