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「七海、廈織くんと別れたから」
三日後、お昼ご飯を飲み込もうとしていた私に、七海は衝撃発言をした。
「ごほ、ごほ! え、どうしたの?」
教室で互いの机を向かい合わせながらの昼食。
私はペットボトルのお茶をがぶ飲みしている。
驚いて当然だろう。
二人が付き合い始めたと聞いてから、まだ一週間しか経過していない。
「隠す事でもないから琥珀には言っちゃうね。七海と廈織くん、期限付きで正確には付き合ったフリをしてたの」
「どういうこと?」
「七海、別の高校の友達に彼氏いるって嘘ついちゃって。廈織くんに話したら協力してくれるっていうから……すぐ別れたってことにしたけど。悪いことしたな」
私は、呆然と七海の話を聞いていた。
「なんだ……それなら言ってくれればよかったのに」
「途中でバレたくなかったし、まんざらでもなかったんだよね。本当に付き合う? って聞いたら、フラれちゃったけど。今まで騙(だま)してて、ごめんね」
少しだけ、残念そうな顔をした七海に私はふざけた調子で言った。
「約束したパンケーキを本当に奢ってくれるなら許す」
「じゃあ、今週の日曜、一緒に食べに行こうか」