と、そこで、枕元に放置されていたスマホが鳴った。
這いつくばるようにスマホを取り、着信相手を見る。
画面に表示されていた名前は、七海ではなく希望ちゃんだった。
「もしもし希望ちゃん? どうしたの」
『あ、琥珀ちゃん? 突然なんだけど、明日会えない?』
その提案にカレンダーを横目で確認しながら答える。
「明日?」
『実は今日の夕方、携帯ショップで偶然七海ちゃんと会ったんだけど……そこで琥珀ちゃんの告白の話を聞いてね。ほら、私も七海ちゃんも好きな男の子にチョコレート渡す予定だったから、どうせなら一緒に結果発表会しないか? って話になって……どう?』
「それはもちろん良いけど……え、携帯ショップ?」
『七海ちゃん、携帯水没させちゃったんですって。私は丁度修理に出していたものを受け取りにね』
なるほど水没……どおりでいくら七海に電話をかけてもダメだったはずだ。
となると今は代わりの機種を貰っているだろうから連絡はつくのかな?
データが無事なら、の話だけれど。
「そっかあ……それは大変だったね。うん、いいよ! そういう事なら、時間とか場所の指定は希望ちゃんに任せるよ。決まったらメールで教えて」
『うん、じゃあまた連絡するね』
――――ここまでが昨日の出来事。