バレンタイン当日、告白を終えた私は自分の部屋で今日一日を振り返っていた。
約束した通り、一刻も早く七海に今日の結果を報告したかったので、夕方、私は告白を終えたその足で七海の家に向かった。
けれど、彼女は家にいなかった。
一応彼女のスマホにも電話をかけてみたけれど電話は繋がらなかった。
報告は仕方なしに今日ではなく、明後日の月曜日に変更になりそうだ。
そんな事実に若干テンションが下がりながらも、私は自室のベッドの上に寝転がり、枕を抱いて転がっていた。
「あーあ、ついにバレンタイン終わっちゃったなあ……」
つい先ほどの出来事が本当に現実なのか、日が沈み、夜になった今でも信じられない。
それほど強烈な記憶が今も脳裏に焼き付いている。
朝、休日だというのに普段より一時間も早く起床した私は朝食を済ませ、さっそくチョコレート作りを開始した。
クッキーの上から溶かしたチョコレートを乗せ、アイシングクッキーのように表面をコーティングした後、冷凍庫で数時間冷やし、市販のチョコペンでメッセージを添えてラッピングした。
一見簡単そうに見えた作業だが、実際にやってみるとなかなか骨の折れる作業だった。
板チョコは固くてなかなか刻めないし、湯煎は手元が不安定で結構熱いし、溶けたチョコレートは綺麗にコーティングできないし、チョコペンで文字を書くのは本当に大変だし。
私は比較的綺麗に仕上がったチョコレートクッキーを詰め、悠ちゃんの家に向かった。
家を出たのは予定の時間より遅い、午後三時を回った頃だった。
そうして今に至るわけだ。