人って見た目が一番重要って本当なんですね。


 見た目が変われば内面なんて、本当はどうでもいいのかもしれないですね。


 否――――最初から、内面なんてこれぽっちも見ていなかったのかもしれませんね。


 内面、要するに性格を気にかけて、気に入ってもらうためにはまず、外見を認めてもらわなければ話にならないという、そういうことなんですね。


 私は築き上げた持論が否定されてしまったから、だからこんなに苛立っているのですね。


 ――――違う?


「師匠! 聞いて下さいよ! 僕、登校一番に琥珀さんの教室に行ったんですけど、そしたら、僕を見た彼女が何と言ったと思います?」


 放課後、橘は私に向かって興奮気味にそう言った。

 場所はおなじみの仮設校舎屋上前。


「イケメンに反応した琥珀が急に手を握って「かっこいい!」だっけ?」


「そう! そうです! さすが師匠!」


「あのさあ……一つ、言っていい?」


「はい?」