帰り道、私はすっかり様変りした同級生と肩を並べながら、向けられる視線の違いに気分を良くしていた。
「師匠、機嫌いいですね」
「え~そうかな~」
向けられる視線は橘から私へと向けられている。
羨望という名の眼差しが。
「そうですよ。なんだか嬉しそうです」
「そりゃイケメン連れて歩いてたら鼻高いし気分いいよ~あはは」
「えっ」
「あ、待って今のなし」
慌てて弁解した時には既に遅く、私の本音は余すところなく彼に伝わってしまった。
これは結構恥ずかしい。
橘は慌てる私を見てクスリと笑い、恥ずかしそうに言った。
「ふふ、ありがとうございます。師匠のお墨付きなら変身は大成功ですね。なんだか自信ついてきました」
結果的に今回は、橘に助けられる形になってしまった。
「ま、まあ……この出来なら琥珀もカッコいいって言ってくれると思うよ」
「明日が楽しみです」
「うん、私も」
私たちはそう言って、寄り道することなくそれぞれの家へ帰り、一日を終えた。
「今日はもう寝よう……」
私は明日に待ち構えている橘のお披露目を楽しみにしながら深い眠りに落ちていった。